「スマホが無制限なら、家の光回線はもういらないのでは?」
月4,000円台の光回線をやめて、スマホ1本のテザリングで済ませる。うまくいけば年5万円前後の節約になりますが、全員にできるわけではありません。
この記事では、光回線を解約してスマホ1本にできるかを5つの条件で診断します。テザリングの上限、同時接続の限界、解約してから後悔する典型例まで、公式情報と実際の数字で判断できるようにまとめました(2026年9月時点)。
📖 この記事でわかること
- 光回線をやめてスマホ1本にすると、年いくら浮くのか
- できる人・できない人を分ける5つの条件
- 「無制限」でもテザリングには上限がある会社とない会社
- 同時接続が何台までなら現実的か
- 解約してから後悔する典型的なパターン
- スマホ1本が無理でも光回線を安くする方法
光回線をやめると、実際にいくら浮くのか

まず金額の感覚を持っておきます。総務省の家計消費状況調査によると、二人以上の世帯のインターネット代は月額4,212円が平均です。
| 構成 | 光回線 | スマホ | 月額合計 |
|---|---|---|---|
| 光回線+スマホ(セット割あり) | 4,000〜5,500円 | 3,278円 − 割引1,100円 | 約6,200〜7,700円 |
| スマホ1本(無制限) | 0円 | 3,278円 | 3,278円 |
| 差額 | — | — | 月3,000〜4,400円 |
※2026年9月時点・税込の目安です。光回線の月額は戸建てとマンションで差があります。スマホ側は楽天モバイルの無制限3,278円を例にしています。
年間では4万円から5万円台の差になる
月3,000円の差でも年36,000円、月4,400円なら年52,800円です。固定費なので、何もしなくても毎年この差が積み上がります。
10年で見れば36万円から52万円です。ここまで大きいと「できるならやったほうがいい」と思えますが、できるかどうかは使い方で決まります。次の章で判定していきます。
ただし「セット割が消える」分を引き忘れない
光回線をやめると、スマホ代に付いていたセット割も消えます。1回線あたり月1,100円前後が多く、家族4人で使っていれば月4,400円の割引がまるごとなくなります。
つまり家族が多い家庭ほど、光回線をやめた瞬間にスマホ代が上がります。単身なら差額はそのまま浮きますが、家族世帯では計算が逆転することがあるので、必ず割引額を含めて比べてください。
こはく家族おったら、やめたほうが高うなることもあるんか。



そうなんじゃ。セット割は人数分効くから、4人家族なら月4,400円ぶん。光回線の月額とほぼ同じになることもある。単身かどうかで話がまったく変わるんじゃよ。
5つの条件で診断|あなたはスマホ1本にできるか


次の5つを順番に確認してください。1つでも当てはまらなければ、光回線を残す判断が無難です。
① 世帯人数は1人か
2人以上だと同時に使う機器が増え、セット割も人数分消えます。
単身なら条件クリアです。
② つなぐ機器は3台までか
スマホ・パソコン・タブレット程度なら現実的です。
テレビ・ゲーム機・スマートスピーカーまで入ると厳しくなります。
③ テレビで動画を見ないか
大画面の動画は一気に容量を使います。
スマホの小さい画面で見るのとは桁が違います。
④ 自宅の電波は強いか
部屋の中で安定して4本立つかを確かめます。
窓際でしか入らないなら、家じゅうで使うのは無理があります。
⑤ 契約プランのテザリングに上限がないか
ここが最大の落とし穴です。データが無制限でも、テザリングだけ別に上限が設けられている会社があります。
次の章で会社ごとの違いを整理します。
5つ全部に当てはまるなら、試す価値がある
単身で機器が少なく、テレビで動画を見ず、自宅の電波が安定していて、テザリングに上限がないプラン。この条件が揃うなら、光回線は本当にいらない可能性が高いです。
ただし、いきなり解約するのは避けてください。安全な進め方は次のとおりです。まず1か月、家のWi-Fiを切ってスマホのテザリングだけで生活してみる。不便がなければ解約する。この順番なら失敗しません。
自分が月に何GB使っているかを先に知る
判断の土台になるのがこの数字です。民間調査では月間データ使用量の平均は12.46GB、中央値は3GBという結果が出ています。多くの人は思ったほど使っていません。
ただしこれはスマホ単体の数字で、家のWi-Fiで使っている分は含まれていません。光回線をやめるなら、この両方を足した量をスマホ1本で賄うことになります。ルーターの管理画面や各社のアプリで、家の通信量も確認しておいてください。


「無制限」でもテザリングには上限がある場合がある


ここを知らずに解約すると必ず失敗します。データが無制限でも、テザリングは別枠で制限されていることがあるからです。
| プラン | 月額 | データ | テザリングの扱い |
|---|---|---|---|
| 楽天モバイル 最強プラン | 3,278円 | 無制限 | 上限なし・追加料金なし(パートナー回線エリアも含む) |
| ahamo | 2,970円 | 30GB | データ量に含まれる(30GBまで) |
| ahamo大盛り | 4,950円 | 110GB | データ量に含まれる |
| povo2.0 | トッピング制 | 購入分 | 購入したデータの範囲内 |
| 大手3社の無制限 | 7,000円台〜 | 無制限 | テザリング等の合計に上限あり |
※2026年9月時点・税込。楽天モバイルはパートナー回線エリアでもデータ無制限です(以前あった月5GBなどの制限は2023年6月に撤廃・混雑時は速度制御あり)。大手3社の上限額は機種やプランで異なるため、契約先の公式でご確認ください。
大手キャリアの無制限プランは、家の回線の代わりにならないことがある
ドコモ・au・ソフトバンクの無制限プランは、スマホ本体で使う分は無制限でも、テザリングやデータシェアを含めた合計に上限が設けられています。家のネットを全部そこに乗せると、上限に達して速度が落ちます。
つまり「無制限だから光回線はいらない」という理屈は、大手3社の無制限プランでは成り立たないことがあります。月7,000円台を払ったうえで上限があるなら、光回線とセット割を維持したほうが快適です。
テザリング上限がないのは楽天モバイル
国内のエリアなら、テザリングを含めてデータ通信に上限がなく、追加料金もかかりません。光回線の代わりを本気で狙うなら、現状ここが唯一の現実解です。
パートナー回線(au回線)エリアでも容量の制限はありません。ただし屋内や地下で電波が弱くなる場合や、混雑時に速度が落ちる場合があります。自宅の電波状況を、申し込み前に必ずエリアマップで確認してください。
プランごとの中身をもっと詳しく比べたいなら
無制限・大容量プランは各社で条件がかなり違います。料金だけでなく、通話オプションや回線の強さまで含めて選ぶと失敗が減ります。
4社の料金と容量を並べた比較は、別記事で詳しくまとめています。


解約してから後悔する典型的なパターン


実際にやってみて戻す人には、共通する理由があります。先に知っておけば避けられます。
① オンライン会議が途切れる
在宅ワークでは致命的です。映像が止まるだけで信用に関わります。
会議がある人は光回線を残してください。
② スマホの電池が持たない
テザリング中は電池の減りが速く、本体も熱を持ちます。
常時つなぐなら充電しながらの運用が前提です。
③ 外出するとネットが消える
親機のスマホを持って出れば、家のネットもなくなります。
家族と同居なら現実的ではありません。
④ 戻すとき工事費がかかる
やっぱり必要となったら、再び工事費と事務手数料が必要です。
戻す前提なら最初から解約しないほうが安く済みます。
解約前に、違約金と撤去費用を必ず確認する
節約のつもりが、解約の初月だけ大きな出費になることがあります。確認すべきは3つです。契約期間の縛りが残っていないか、工事費の分割払いが残っていないか、そして撤去工事の費用がかかるかどうかです。
とくに見落としやすいのが工事費の残債です。「実質無料」のキャンペーンは、毎月の割引で工事費を相殺する仕組みが多く、途中で解約すると割引が止まって残りが一括請求されます。契約先のマイページで残りの回数を確認してから、解約の月を決めてください。
固定電話(ひかり電話)の番号が使えなくなる
ひかり電話は光回線の上で動く電話サービスです。そのため光回線を解約すると、ひかり電話もいっしょに使えなくなります。
家の電話番号を学校や病院、親戚に伝えている人は、番号が使えなくなっても困らないかを先に考えておきましょう。
家の電話をほとんど使っていないなら、スマホの通話に寄せるのが手軽です。たとえば楽天モバイルはRakuten Linkアプリから発信すれば国内通話が無料です(0570などの一部の番号は対象外)。
筆者も楽天モバイルを2年以上使っていて、自宅ではスマホを固定電話の代わりにしています。ふだんの通話で困ったことはありません。
人が集まる場所ではスマホがつながりにくいことがある
スマホ1本にすると、家のネットも外の通信もすべてスマホの電波に頼ることになります。ふだんは問題なくても、イベント会場のように人が大勢集まる場所では、つながりにくくなることがあります。
筆者も楽天モバイルで、2025年の大阪・関西万博やイベント会場では、アンテナが立っていてもつながらない場面がありました。
住宅街の自宅では通信にも通話にも違和感はなく、困るのは混雑した場所が中心です。
仕事の連絡やオンライン会議など「つながらないと困る用事」が多い人は、スマホ1本にする前に、よく使う場所での電波を数週間試しておくと安心です。
中間案|工事不要のホームルーターという選択
光回線ほどの速さは要らないが、スマホのテザリングでは不安。この中間を埋めるのがホームルーターです。コンセントに挿すだけで工事が不要で、据え置きなので電池の心配もありません。
スマホを持って出かけても家のネットは残りますし、同時接続も余裕があります。月額は光回線と同程度のこともあるので、工事ができない住まいや、短期間しか住まない人に向いています。


スマホ1本が無理でも、光回線は安くできる


診断の結果、光回線が必要だと分かった場合でも、今の金額のまま払い続ける必要はありません。
セット割が効く組み合わせに寄せる
スマホと光回線の会社を揃えると、1回線あたり月1,100円前後の割引が効きます。家族4人なら月4,400円で、光回線の月額とほぼ同じ額が戻ってくる計算です。
今バラバラの会社を使っているなら、ここを揃えるだけで固定費が下がります。どの組み合わせで割引が効くかは契約中のプランによって変わるので、まず自分のスマホがどの割引の対象かを確認してください。
住まいの形に合う回線を選び直す
戸建てとマンションでは、選べる回線も月額も工事の要否も変わります。同じ会社でもマンションタイプのほうが1,000円以上安いのが普通です。
今の契約が住まいに合っていないまま続いているケースは珍しくありません。乗り換えのキャンペーンで工事費が実質無料になることも多いので、数年使っているなら一度見直す価値があります。


よくある質問


スマホの無制限プランがあれば光回線はいらないですか?
一人暮らしで、つなぐ機器が3台までで、テレビで動画を見ないなら現実的です。単身なら年4万円から5万円台の節約になります。
ただし家族がいる、在宅で会議をする、オンラインゲームをする場合は光回線を残したほうが安全です。
無制限プランならテザリングも無制限ですか?
会社によります。楽天モバイルはパートナー回線エリアも含めてテザリングも上限なしで使えます。
一方、大手3社の無制限プランはテザリングなどを含めた合計に上限が設けられていることがあります。契約先の条件を必ず確認してください。
光回線をやめると、スマホ代は上がりますか?
上がる場合があります。セット割が消えるためで、1回線あたり月1,100円前後が多くなっています。
家族4人で使っていれば月4,400円の割引がなくなる計算です。単身なら影響は小さいですが、家族世帯では損得が逆転することがあります。
解約する前に試せる方法はありますか?
あります。1か月だけ家のWi-Fiルーターの電源を切り、スマホのテザリングだけで生活してみてください。
不便がなければ解約に進みます。この順番なら、解約してから後悔して工事費を払い直す事故を防げます。
テザリングでオンラインゲームはできますか?
対戦がない一人用のゲームなら問題ないことが多いですが、対戦型は遅延が出やすく向きません。
データ量よりも応答速度が問題になるためです。ゲームが目的なら光回線を残してください。
まとめ:単身なら現実的、家族がいるなら残す


✅ スマホ1本にできるかの判断ポイント
- 光回線をやめると月3,000〜4,400円、年4万〜5万円台が浮く
- ただしセット割が消える。家族4人なら月4,400円の割引がなくなる
- 判定は5つ。単身・機器3台まで・テレビで動画を見ない・電波が強い・テザリング上限なし
- データが無制限でも、テザリングだけ上限がある会社がある
- テザリング上限がないのは楽天モバイル。パートナー回線エリアも無制限(電波の強さは要確認)
- 後悔の理由は会議が途切れる・電池が持たない・外出でネットが消える・戻すと工事費
- 解約前に1か月テザリングだけで生活して試す。これで失敗を防げる
※本記事の料金・条件は2026年9月時点の各社公式サイトおよび公的統計にもとづく目安です。プランの内容は変更されることがあるため、申し込みや解約の前に必ず公式でご確認ください。










